ゴリラの感想 ~ねこぢる草~
ねこぢる作品と出会ったのは、私がまだ小学生の時分だった。
地元の図書館で、黒目がちで可愛いネコちゃんの漫画が置いてある~、と手に取った。
他にはスプーンおばさんなどの児童書を借りて、家へ帰った。
めっちゃ親に怒られた。
なぜ怒られるのか、その時は全く意味が解らなかった。
こっそり夜中に隠れて読んだのだけれど、まあショッキングな内容だった。
弟の腕を噛み切った犬を棒で叩きのめす、など小学生にとってはグロい表現が多かった。
でも、禁止されると余計に見たくなってしまう心理で、返しに行った振りをして、他のねこぢるの本を閲覧室で読んだ。
なんというか、親に隠れてこんな不道徳な本を読んでいるのだ!っていう変な爽快感があったのだ。
今になって思うと、こんな本がなぜ図書館にあったのか不思議でたまらない。
というか、親はなんで知っていたのか不思議だ。読んだことあったのか。
ねこぢる、というタイトルはそれ自体も強烈だし、内容も強烈だしで、頭に深く残ってしまった。
学校のお手紙交換に添える、ネコのちょこっとしたイラストを描くのを、ねこぢるみたいに黒目がちにすると可愛い、と思って真似をするようになったぐらいだ。
今では私もすっかり大人になった。中身は幼稚園児のときとそう変わりないのだが。
先日某ようつべで偶然、おすすめ動画にねこぢる草が表示された。
風呂上がりの蒸し暑い、深夜二時頃だった。
ひどくノスタルジーな気分になって観てみたのだ。
なんというか、こじこじとかクレヨンしんちゃんの映画みたいな雰囲気だった。
不条理さは漫画よりも強烈なのだが、グロテスクな表現は緩和されていたような。
漫画のときのような、観ていて辛くなるような表現はほどんどなかった。
むしろ観ていて非常に心地が良い。もう一回観たい。
意味の解らないのが良い。解らなくても良い気がする。