メンヘラゴリラのにっき

ポセマニュ子の承認欲求を満たすためのブログ

ゴリラの休日 ~レム睡眠劇場~

お題「ひとりの時間の過ごし方」

 

今晩は。
お部屋を掃除するとすっきりするんだけど、部屋の纏う空気がなんだかひんやりと感じられるわ。
ついさっきまで、幼少期のアルバムを見てたわ。
幼稚園の時の妹の写真、なんだか見たことある感じだったんだけど。
あれよ、あれ。北の総書記みたいなポーズ。
滑り台のてっぺんにいる妹を下から撮ってるからアングルが完全にアレのそれ。
イムリーだから、しばらくは総書記って弄れるわね。(不謹慎かしら)

 

 

 

 

ひとりの時間は淋しくても、定期的に無いと自分を保てない気がするわ。

金曜日の夜は、チョコレートを摘みながらブランデーを舐める。
光源はカーテン越しの街灯だけの薄暗い部屋で、程好い酩酊感に浸り、手遊びにフローリングの目で阿弥陀くじをする。
白くて、華奢でもなんでもないけれど、まめに整えられた指先を持つ人が、ひたすらに糸の縺れを解そうとしているイメージをしている内に、脳は4~7Hzにチャンネルを変えていたみたい。

私はお座敷の下座に座っていた。
正座しているのに何故か黄色のドーナツクッションをお尻と足の間に挟んでいる。
もの凄く間抜けな状態だった。
 私の横には、同じ年頃の人々が皆着物やらスーツやらにめかしこんで、頭にはなぜか虚無僧のような籠を被り、柿色のおざぶに正座している。
 

私は薄い寝間着のままで、しかも髪にはスポンジカーラーが巻き付いたままだった。
 

 前列にも同じように虚無僧が並んでいた。
少し遠くの床の間にはアジアン雑貨のお店にありそうなガネーシャの像が飾られている。その手前の上座の人々は、こちらに向いて座っていた。
皆同じように虚無僧だが、おざぶは青紫色だった。
 1人が、スーツの袖口から蛍光ピンクのラバーバンドを覗かせて、ちょいちょいと手招きをした。
 すると私の2列前に座っていた裏山吹の着物を着た人が立ち上がって、遠慮がちに衣擦れをたてながら、上座へ歩み寄る。籠は被っていなかった。
手招きをしたスーツが立ち上がり、出ていくと青紫色のおざぶが一つ空席になった。
裏山吹の着物の人がそこへ納まると、白い、顔がこちらへ向いた。
ずっと観たかったはずなのに、なぜだか見ていたくなくて眼を逸らした。

 

午前4時の紫がかった窓の外は酔っ払いすら通らないが、鳩が騒ぎ出す頃だ。
部屋の隅では、安物の充電器が相変わらずコイル鳴きを響かせている。
ライラックの薄いシフォンから覗く爪先はすっかり冷え切って青白く、静脈が際立っていた。

フューシャピンクのペディキュアはいつの間にか剥げていて、みすぼらしく映った。

よいはすっかり居なくなってしまった。