汚掃除レポ
実に数年ぶりにガスコンロの天板を外した。
昼食後、食器を片づけると五徳とグリル排気口の網を、重曹を溶かした熱湯に付け込んだ。
熱湯だと重曹の効果が良くなる原理はあんまり解らないけど、油分が溶けやすくなるのは実感できる。
いつもなら天板とバーナーキャップを軽く拭いて終わるのだけれど、今日はなんだかよくわからないテンションだったみたいで。
テレビからは、アンジャッシュの渡部がSHELLYに独身貴族と罵られる音が流れていた。
急な思い付きで、パパの部屋の工具箱を漁ってプラスドライバーを拝借した。
もう完全にやる気だった。
縁には油の塊がびっしりと群がり、中は煤塗れになっていた。
外すのに持ち上げた天板の裏側も汚い油に塗れていて鳥肌が立った。
すっかり硬化した油は軽く拭っても浮き上がる気配を見せない。
内部は配線やらで構造が複雑だから洗剤も気軽に使える雰囲気ではなかった。
結局、爪楊枝でちまちま削っては運び出すしかない。
こういう汚い部分は、普段は見えないところにあるけれど、ちょっと見ようとすれば見える。
そもそも、そういった部分があると認知していないと死ぬまで縁が無かったりする。
なんというかネットに散在するグロ画像に似ている。
ふとしたときに、なぜだか検索したくなるのだ。
この中はどうなっているのか。
そういう意味では、どちらの行為の要因となる好奇心は同じなのかもしれない。